「北の街」(青森市タウン誌)2016年 5月号 表紙


表紙あとがき

「きらめく季節に たれがあの帆を歌ったか つかのまの僕に 過ぎてゆく時よ 二十才 僕は五月に誕生した」
十二月生まれの寺山修司が青春時代に創作した詩「五月の詩」において、この月の誕生を強調する気持ちを、 同じ十二月生まれとしてはわかるような気がします。
何もかもが生を謳歌する美しい輝きの季節、神様は五月から作られたのではないかなぁと思ってしまうほど、一年で一番好きな季節です(春先の不定愁訴は毎年困ったものですが)。
横たわった少女が手にしているのは、この詩が収められた1957年発行の寺山修司作品集「われに五月を」初版本。
先日、神保町の古書店に寄ったときにガラスケースに飾られているのを発見しました。四十万近くでした…。